アベ NO THANK YOU !

平和に参加を、声を上げよう!

アベ NO THANK YOU ! 新たに

2014年5月30日、アベ N0 THANK YOU ! の会は発足した。
趣意書に、以下の6項目を掲げた。

【1】福島原発問題は「アンダーコントロール」ではありません。 

【2】国民の命より国家を優先する特定秘密保護法はいりません。

【3】世界に容認されない間違った歴史認識の教科書で、東アジアの平和を
  損ねる若者を育てることは、許されません。

【4】「防衛装備移転三原則」の導入による、他国の人々を殺傷する武器や
  軍事技術の輸出での経済成長は望みません。

【5】医療・介護総合推進法案は、いのちと安全に対する国の責任の放棄です。

【6】集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更は隣国との対立を招き、 
  これまで日本が70年続けてきた「戦争のない社会」の放棄です。

 

これらは、すべて2012年12月26日に第2次安倍内閣が発足してから、次々と1年半の間に強行採決や閣議決定で導入されたりした内容である。
当会が発足してから、3年が過ぎた。そして2017年8月3日、第3次安倍内閣が発足した。この機に、以上の6項目についてのその後の経緯を振り返ってみる。

 

【1】福島原発問題は、「アンコートロール/アウト オブ コントロール」である。

福島原発事故はアンダーコントロールであるとオリンピック招致プレゼンテーションで世界に向けて宣言して、東京オリンピック開催を決めた。しかし、メルトダウンを起こした1〜3号機には、溶け落ちた燃料(デブリ)が現在も残っており、ロボットによる建屋内部の調査が続いているが、いまだにそのデブリを取り出す方法は決まっていない。一方、定期点検中で燃料が装填されていなかった4号機は、2014年12月に核燃料プールから使用済み燃料の取り出しが完了した。しかし、解体した原子炉建屋のゴミをどう処分するか決まっておらず、解体できないでいる。
汚染水に関しても、東京電力は2020年までに建屋の汚染水をすべて除去すると発表しているが、345億円の国費を投じた凍土壁では想定より地下水の抑制効果がないことが明らかになっており、1,000基を超えた保管タンクをどう処理するのかはしめされていないし、タンクの長期間耐えられる構造ではなく、老朽化したタンクから漏れがおこっている。現在古い汚染水貯蔵タンクを解体し、新しいタンクに交換する作業が行われているが、放射線汚染は収拾の目処がないまま、深刻の度合いを増している。

また、アメリカ政府のデータを使って作成したホワイトフードさんによるストロンチウムの放射能汚染地図によれば、ストロンチウムは福島のみならず、東京、横浜、横須賀でも、検出されている。

ストロンチウムが検出された値は、関東では下記のとおり。
神奈川県 横須賀 15.83Bq/kg、平塚 10.62Bq/kg 相模原市 5.14Bq/kg
千葉県 成田市A 18.60Bq/kg、成田市B 11.30Bq/kg、香取市 8.00Bq/kg
茨城県 龍ヶ崎市 4.45Bq/kg、神栖市  5.64Bq/kg
栃木県 小山市 7.02Bq/kg、栃木市 18.10Bq/kg、鹿沼市 3.03Bq/kg日光市 5.2Bq/kg
群馬県 34.68B/kg

2017年6月5日に公表された最新の福島県民調査報告書によると、福島県の小児甲状腺がん及び疑いの子供達は、合計190人になった。手術を終えた153人の中で、良性結節だったのはたった1人にすぎず、150人が乳頭癌、1人が低分化癌、1人がその他の甲状腺癌との診断だ。甲状腺がんの発症率からいえば、福島県で18歳以下にがんが見つかるのは2人程度なので、その80倍を超える人数だった。

 この結果を受け、「予想を超えるような多発が起きている」としたものの、その原因は「放射線の影響ではなく、過剰診断」とする有識者による「検討委員会」の見解に、異を唱える専門家からの反論も多い。

いずれにしろ、福島原発問題は「アンダーコントロール」どころか、「アンコートロール/アウト オブ コントロール」であることは確かである。この深刻な事態に向き合おうとしない現政権が、これ以上偽りのアンダーコントロールの振る舞いをするのは限界だ。

 

偽りを語り、原発を推進する政権 「アベ NO THANK YOU !」

 

【2】国民の命より国家を優先する特定秘密保護法に加え、共謀罪も強行採決。

2013年11月6日に特定秘密保護法が強行採決され、2017年6月15日に平成の治安維持法と言われる共謀罪が強行採決された。

11年前に、共謀罪が3回廃案になった当初から最近にいたるまで、共謀罪創設は、「国際社会の強い要請である。共謀罪創設という法整備がなければ、国際組織犯罪防止条約に入ることができない」と、政府は法案の必要性を説いてきた。安倍首相は、施政方針演説で、「条約を締結できなければ東京五輪・パラリンピックを開けないと言っても過言ではない」と述べ、共謀罪の必要性を繰り返し強調した。今回の政府案では「共謀罪」にかわって「テロ等準備罪」という名称が用いられた。

しかし、多くの法律の専門家から、共謀罪の新設をすることなく、国際組織犯罪防止条約の批准をすることが可能であることが指摘され、今年5月18日には、国連人権理事会の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案について、「成立すればプライバシーや表現の自由を制約する恐れがある」と懸念を示す書簡を安倍総理に送っている。

どうしてここまでして安倍政権は共謀罪法を制定したいのか。「特定秘密保護法」に続き、「共謀罪」を成立させることで、何が秘密か知らされないまま監視社会が醸成されていく。市民が声を上げにくくなる社会をつくり、積極的平和と言う言葉で遂行される戦争に反対という声をつぶすための、戦時体制へ向けた取り組みの一環とも言われている。

 

戦争への道を開く政権 「アベ NO THANK YOU !」

 

【3】世界に容認されない間違った歴史認識の教科書で、東アジアの平和を
  損ねる若者を育てることは、許されません。

教科書問題は、ますます時代錯誤の様相を呈してきている。「道徳心」、「公共の精神」、「国や郷土を愛する態度」などの育成を盛り込む形で、2018年度から小学校で、2019年度から中学校で道徳の時間が教科になる。国による教育統制や価値観統制が強まる懸念があると言われているなかで、教育勅語の精神を取り戻すべきだと閣僚が語り、「教育勅語を教材として用いることまでは否定されることはない」との答弁書を閣議決定。

国民のための国家でなく、国家のための国民を育てる政権 「アベ NO THANK YOU !」

 

【4】「防衛装備移転三原則」の導入による、他国の人々を殺傷する武器や軍事技術の輸出での経済成長は望みません。

2014年4月に、安倍政権は一片の閣議決定によって「武器輸出三原則」を撤廃し、「防衛装備移転三原則」を制定。安倍首相は「成長戦略」の一環に武器輸出を位置づけ、トップセールスを展開している。

そして、これまで日本では「軍学共同」は、あまり大っぴらな形では進んでこなかったのだが、安保法制を背景にして軍事化を急ぐ安倍政権によって、学問の軍事への徴用が露骨に進められている。2015年7月に、防衛省は大学・研究機関などに1件当たり最大で年3000万円を提供して技術開発を支援し、防衛装備品への活用を検討する「安全保障技術研究推進制度」を始めた。防衛省の軍事研究推進制度の予算が昨年度6億円から、2017年度は一気に110億円に激増するなど、日本版の「軍産学複合体」づくりが本格化している。

また、2015年5月の横浜開催に続き、2017年6月、千葉市の幕張メッセで日本で2回目の「武器見本市」が開催された。日本の14社を含め18か国の125社が「防衛装備品」を出展し、各国の軍関係者ら4200人余りが訪れた。

 

軍事産業による経済成長を推進する政権 「アベ NO THANK YOU !」

 

【5】医療・介護・福祉の社会保障費縮小は、いのちと安全に対する国の責任の放棄です。

2014年5月15日、医療・介護総合推進法案が強行採決され可決された。介護保険に2割負担を導入する、要支援1、2を対象とした訪問介護と通所介護を介護保険給付の対象から外し、市町村が行う地域支援事業へ移行する。入院ベッドを削減する、70~74歳の医療費窓口負担1割を2割へ引き上げる、など現行制度を大改変する内容であった。

そして、2017年5月、現役並みの所得がある高齢者が介護サービスを利用する際の自己負担割合を引き上げる改正介護保険関連法が成立した。2018年8月から一部の利用者の負担が2割から3割に引き上げられることになった。そのほか、改正のポイントはたくさんあるが、いずれにしても、地域包括ケアシステムの推進のもと、自助、共助を推進し、公助は縮小、自己負担額の引き上げとサービスの縮小という方向性である。安倍政権は社会保障費の自然増分を年5000億円程度に抑えるとした目標を掲げ、17年度の予算では1400億円の圧縮を実行した。来年度予算でも、給付抑制・負担増による社会保障の削減を狙っている。

 

いのちと暮らしの社会保障縮小の政権 「アベ NO THANK YOU !」

 

【6】集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更は隣国との対立を招き、これまで日本が70年続けてきた「戦争のない社会」の放棄です。

2014年5月15日、安倍首相は、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を閣議決定することを宣言し、2015年9月安全保障関連法が強行採決された。

2016年12月、南スーダンでの国連平和維持活動に派遣する陸上自衛隊の部隊に、安全保障関連法に基づく新任務「駆けつけ警護」や、他国のPKO要員らとともに武装勢力から宿営地を守る「共同防護」を、新たに付与されることになった。実行されることはないまま、2017年3月、自衛隊施設部隊の5月末をめどに活動を終了する事が発表された。

安倍総理は閣議後の記者会見で「同国における活動に一定の区切りがついたため」と説明し、現地の治安情勢の悪化、政府の瓦解による内戦再開に伴い、南スーダンの実態が派遣要件を満たさなくなったことによる「撤退」ではないとし、あくまでも「南スーダンで戦闘は行われていない」との立場をとっていた政府にとって、不都合な日報は隠蔽された。しかし、部隊撤収が発表されるのと前後して、廃棄したと説明されていた戦闘発生を記載した日報は、陸自内で保管されていたことが明らかとなった。

 

戦闘を隠蔽し、自衛官の命軽んじるを政権 「アベ NO THANK YOU !」

 

1997年に設立された日本会議は、“美しい日本の再建と誇りある国づくり”を掲げ、政策提言と国民運動を行うとし、特に「軍事力増強」「緊急事態条項」「家族保護条項」の条文化を重視した新憲法の制定をめざしています。

その日本会議の主張と重なる自民党憲法改正草案の成立を悲願とし、
人々の命を軽んじる、安倍政権の国作りにNO!

国家が優先でなく、個人の尊厳を第一に重んじる、こころ豊かで安全な日本社会を希求して、「アベ NO THANK YOU !」とあげる声に、さらに力を込めたいと思います。そして、安倍政権後のビジョンについて、私たちは学び合い、NO ! のあとにYES ! の輪が拡がる未来を築いていきたいと考えています。

2017年8月5日